食品配送の現場で「CO2削減」という言葉を耳にする機会が、ここ数年で一気に増えました。2026年に入り、大手配送事業者は電動車両の導入や共配体制の構築を本格化させ、飲食店の側でも「業者選びの基準に環境配慮度を組み込むべきか」という相談が増えています。とはいえ、環境対応と経営コストのバランスをどう取るかは、多くの飲食店経営者にとって悩ましい論点です。本稿では、豊洲・江東区・港区を中心とした食品流通の現場感覚を踏まえ、CO2削減型配送への切り替えを検討する際の実務的な判断軸を整理します。
食品配送業界のCO2削減取組の現状(2026年)
2026年時点で、食品配送業界の脱炭素化は「宣言フェーズ」から「実装フェーズ」に移行しつつあり、電動車両・共配体制・ルート最適化の3本柱が主流化しています。
大手配送事業者の脱炭素戦略
2026年時点で、大手の食品配送事業者は中長期の脱炭素目標を公表し、実車両の入れ替えを段階的に進めています。とくに首都圏の都心部では、電動小型配送車の稼働台数がこれまでと比べて明確に増えており、飲食店向けの日中集配や早朝納品のルートで採用が広がっています。燃料転換の面では、軽油から次世代燃料へ切り替える動きや、車両の稼働時間帯を分散させて渋滞回避と燃費改善を両立させる取り組みも進んでいます。
ルート最適化については、AIによる配車計画の自動化が普及し、集配順序の見直しだけで配送距離が短縮される事例が業界紙でも紹介されるようになりました。大手にとってCO2削減は、環境対応というよりも「配送効率化=コスト構造改善」と一体で語られる経営テーマになっています。飲食店側から見ると、大手の環境配慮策は料金体系や配送メニューに具体的に反映され始めているため、契約更新のタイミングで確認する価値のあるポイントが増えているといえます。
中小配送業者の環境対応の課題と取組
一方で、中小規模の配送業者にとっては、電動車両への切り替えや配車システムの導入は初期投資の負担が大きく、経営規模の制約から一足飛びの脱炭素化は難しいのが実情です。相場感として、電動小型配送車の車両価格は同クラスのディーゼル車より高く設定されていることが多く、充電インフラの整備も課題となります。
ただし、業界ネットワークを通じた共同購入や、自治体・国の補助制度を活用することで、初期費用の圧縮を図る動きも見られます。加えて、中小業者ならではの強みとして、特定エリアでの高密度な集配ルートを持つケースがあり、共配体制に組み込むことで一台あたりの積載率を上げ、結果としてCO2排出を抑えられる可能性があります。当社でも、業者選定の相談をいただく際には「規模の大小ではなく、集配ルートの効率性」で比較する視点を大切にしております。配送体制についてより詳しく知りたい方は、お問い合わせはこちらからご相談ください。
江東区・港区の食品配送業者選びで環境配慮度を見る5ポイント
飲食店が業者の環境配慮度を実地で見極めるには、電動車両保有・配置エリア・集配効率・定期配送対応・認証取得の5点をチェックすることが有効です。
電動配送車の導入状況と豊洲・晴海ルートの対応
江東区内、とくに豊洲市場周辺は食品流通の一大拠点であり、環境配慮型車両の導入が進みやすい地域です。飲食店として確認しておきたいのは、契約検討中の配送業者が「自店舗のエリアに電動配送車を配置しているか」という点です。全社的に電動車を保有していても、実際に自店舗への配送ルートに投入されていなければ、環境配慮の恩恵は限定的になります。
豊洲市場から晴海・銀座方面、あるいは江東区内の飲食店密集エリアへ向かうルートでは、短距離・多頻度の集配が中心となるため、電動小型車の稼働特性と相性が良いといえます。業者への質問例としては「当店エリアの配送に電動車が使われる割合はどの程度か」「今後1〜2年でどのルートに拡大予定か」といった具体的な聞き方が有効です。抽象的な「環境に配慮しています」という回答ではなく、ルート単位での実装状況を数字で示せる業者は、環境配慮度が高いと判断しやすくなります。
共配・ルート最適化による配送頻度削減の確認方法
共配とは、複数の飲食店への配送を一台の車両でまとめて行う仕組みです。個別配送と比べて車両走行距離が短縮され、CO2排出量の削減につながります。飲食店側で確認すべきは、「自店舗が組み込まれる共配ルートに、どの程度の店舗数が入っているか」「配送時間帯の指定にどこまで柔軟に対応できるか」の2点です。
また、現在の毎日配送を週3〜4回の定期配送に切り替えた場合、配送回数の削減効果を業者側でシミュレーションしてもらうことも大切です。回数削減は必ずしも売上機会損失に直結するわけではなく、在庫管理の工夫と組み合わせれば経営効率の改善にもつながります。以下は、業者選定時に確認すべき5つのポイントを整理したものです。
| 確認ポイント | 具体的な質問例 | 判断の目安 |
|---|---|---|
| 電動車両の配置 | 当店ルートへの投入率は | 具体的数値で回答可能 |
| 共配体制 | 同ルートの店舗数 | 複数店舗で編成 |
| 定期配送対応 | 頻度変更の柔軟性 | 週単位で調整可能 |
| 環境認証 | 取得認証の有無 | 第三者認証の保有 |
当社の業務内容や配送体制の詳細は、業務内容・施工事例はこちらからご覧いただけます。
食品配送のCO2削減が飲食店の経営コストに与える影響
環境対応と経営コストは相反するものではなく、配送最適化を伴う切り替えであれば中長期の総額削減につながる可能性があります。
環境配慮型サービスの料金設定の現状と見通し
環境配慮型の配送サービスに切り替えると料金が上がるのではないか、というご質問をよくいただきます。実際のところ、業界の動向としては、定期配送や共配への切り替えを伴う場合、配送効率化の効果が料金に反映され、現行料金と同水準か、条件次第で料金体系が見直されるケースも見られます。
電動車配置エリアと非配置エリアで料金差が生じる可能性については、業者ごとの方針で異なります。都心部の高密度エリアでは電動車の稼働効率が良いため、料金差が発生しにくい傾向がある一方、郊外や低密度エリアでは、電動車の運用コストが料金に反映されるケースもあります。契約検討時には、複数社から見積を取り、料金構造の内訳(車両費・人件費・燃料費など)まで説明できる業者を選ぶことが、環境配慮度と経営コストのバランスを見極める上で有効です。
配送最適化による総額削減のシミュレーション
複数店舗を運営する飲食店であれば、店舗ごとの個別発注から一括発注・共配への切り替えで、年間の配送関連コストが変わる可能性があります。ポイントは、単価だけでなく「配送回数×配送単価+人件費(検品・受入時間)+廃棄ロス」の総額で比較することです。
たとえば、毎日配送を週3〜4回の定期配送に変更する場合、配送回数の削減で車両費が抑えられる可能性がありますが、一回あたりの発注量が増えるため保管スペースや在庫管理の見直しが必要になります。このトレードオフを、店舗の実情に合わせてシミュレーションすることが重要です。当社では、飲食店の仕入れ・配送設計についてご相談をいただく際、現在の契約内容と比較しながら中長期の経営効率を一緒に検討することを大切にしております。
豊洲・中央区・港区の食品流通地域におけるCO2削減トレンド
豊洲市場周辺・中央区銀座・港区赤坂は、それぞれ異なる特性を持つ食品流通密集地域であり、地域特性に応じたCO2削減アプローチが形成されつつあります。
豊洲市場直送の配送ルートとCO2削減の取組
豊洲市場は、東京都内の食品流通の中核拠点として、多数の仲卸業者と配送事業者が集積しています。市場から都心部の飲食店へ向かう早朝配送ルートは、時間帯が集中するため渋滞が発生しやすく、非効率な走行がCO2排出増につながる課題がありました。
2026年時点では、地場業者による集約配送の取り組みが広がっており、複数の仕入れ先から一括で集荷し、飲食店ごとの発注内容に応じて配送する仕組みが定着しつつあります。当社(築地・江東区を拠点とする永井商店)でも、豊洲市場からの直送ルートにおいて、配送効率を高める工夫を継続的に行っています。早朝配送の最適化は、車両の稼働時間短縮と鮮度維持を両立させる点で、飲食店にも直接的なメリットをもたらす取り組みです。
銀座・赤坂の飲食店密集地における配送共配化の動向
中央区銀座や港区赤坂は、飲食店が高密度に集積するエリアであり、共配体制と相性が良い地域です。同じビル内・同じ街区内に複数の飲食店が入っているケースが多く、業者間ネットワークが構築できれば、一台の車両で複数店舗をカバーできる効率的なルートが組めます。
ただし、共配化にはハードルもあります。飲食店ごとに配送時間帯の希望が異なる、業態(和食・洋食・中華)によって求める品目や温度帯が異なる、といった調整課題です。これらは業者側のシステムと配送設計の工夫で解決可能な範囲であり、地域全体で配送効率化とCO2削減を両立させる動きが徐々に広がっています。飲食店の側からも、「自店舗周辺で共配化が進んでいるか」を業者に確認することで、地域全体のトレンドを把握できます。
当社の業務内容や取扱品目、配送エリアの詳細は業務内容・施工事例はこちらからご確認いただけます。
飲食店が実践できるCO2削減型配送への切り替えステップ
現在の配送契約を見直し、環境配慮型へ切り替えるには、業者への相談・実装計画・効果測定の3段階を、3〜6ヶ月単位で段階的に進めるのが現実的です。
現在の配送業者にCO2削減対応を相談する際の質問項目
まずは、現在契約している配送業者に対して、CO2削減対応の現状と今後の計画を確認することから始めます。具体的な質問項目としては、「電動配送車の当店ルートへの導入予定はあるか」「共配への参加は可能か」「定期配送に切り替えた場合の料金と配送頻度の目安」「環境認証や社内目標の有無」の4点が基本です。
業者の回答から環境配慮度を評価する判断軸としては、抽象的な回答か具体的な回答か、時期・数値・ルート単位での説明ができるかどうかがポイントになります。「検討中です」という回答が続く場合は、業者側の実装スピードと自店舗の切り替え希望時期にズレがないか確認することが大切です。複数社に同じ質問を投げかけると、業界の平均的な進捗度が見えてきます。
定期配送・共配導入までの実装スケジュール
切り替えの実装は、3〜6ヶ月の段階的なアプローチが現実的です。初月〜2ヶ月目は「現状把握」の期間で、仕入れ品目の整理と現在の発注頻度・発注量の可視化を行います。3〜4ヶ月目は「業者協議」の期間で、複数社との比較検討と切り替え候補の絞り込みを進めます。5〜6ヶ月目は「試験導入」の期間で、まずは特定の品目やルートで小規模に切り替えを実施し、鮮度・在庫・料金への影響を検証します。
複数店舗を運営している場合は、店舗ごとの発注調整も必要になります。全店舗を同時に切り替えるのではなく、1店舗ずつ段階的に移行することで、リスクを抑えながら効果測定ができます。当社では、こうした切り替えプロセスの相談にも対応しております。ご検討中の方はお問い合わせはこちらからご連絡ください。
よくある質問(FAQ)
Q. 環境配慮型配送に切り替えると料金は上がりますか
定期配送や共配への切り替えを伴う場合、配送効率化の効果が料金に反映されやすく、現行と同水準または条件次第で見直されるケースも見られます。複数社から見積を取り、料金構造の内訳まで説明できる業者を選ぶことをおすすめします。
Q. 電動配送車で品質管理は問題ありませんか
電動配送車も温度管理機能を備えており、従来車と同等の鮮度維持が可能です。むしろルート最適化で配送時間が短縮され、品質が向上するケースもあります。契約前に温度帯管理の仕様を業者に確認しておくと安心です。
Q. 切り替えまでどのくらい期間がかかりますか
現状把握・業者協議・試験導入の3段階で、目安として3〜6ヶ月の期間を見込むのが現実的です。複数店舗を運営している場合は、1店舗ずつ段階的に移行することでリスクを抑えながら効果を検証できます。
この記事を書いた理由
著者 – 永井商店
飲食店の仕入れ担当者からよくいただくご相談として、「業者選びで環境配慮をどう評価すればいいのか」「CO2削減は経営負担になるのか」というご質問が増えております。当社では、豊洲・江東区・港区を中心とした食品流通ネットワークを大切にしております。
この記事が、環境配慮と経営効率の両立を検討されている飲食店の皆様にとって、業者選定の判断軸を整理する一助となれば幸いです。持続可能な食品流通の実現に向けて、実務的な視点でお役に立てればと考えております。
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